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  • laurier 一週間前

    2004〜2005年作
    elijah


    高度成長時代、秋口……
    とある町で配達業を営む男は過去を引きずり罪に苛まれ虚無な日常を過ごしていた。

    そんなある日、向かった荷物の届け先でスクーターが故障してしまう。


    森の奥にひっそりと佇む屋敷に住む女との

    奇妙な七日間の監禁生活がはじまる。

     

    laurier

     

     

     私には分からない。
     あの時の自分の決断の理由が。
     だから今も「あの小包」の中身も調べられずにいる。
     私はこれをあそこに再び返しに行くべきだろうか。
     
     思い返してみれば私の今までの日々は実に味の無いものだった。

     一番気に入っていたはずのこの窓から見下ろす町の景色でさえ今では
    色彩の伴わない白と黒のそれだけの世界のようにしか感じられないのだ。

     ああ、自分にもう少しだけ勇気があったとしたのなら、私はあの時彼女の手を取り、
    そうされたように背骨が折れてしまう程の力で強く抱きしめて居ただろうか?

     膝の上の小包の茶色い包装紙がぽてぽてと落ちる涙で滲んでいく。

    posted by 小説あらすじ |