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    プロローグ
    100人の亡霊

    ウイスキー工場の跡地に建てられたシェルターの中で、数百人の古代人が氷漬けにされたまま眠っている。

    幾度と無く流行った終末論に翻弄された人々が最終的に選んだのはこの巨大なシェルターだった。

    おばあさんの生まれた頃の時代は、この世界は信じられないくらいの人であふれていた。
    今は私一人になってしまったこのテトゥルも、かつてはウイスキー工場で有名な小さな漁村だった。
    それを証明するものは、海の底に沈んだ街と丘の図書館にしか残されていない。

    当時の技術はすさまじく、あの藍色の瓦礫の山も、もともとは大きな塔だったそうだ。
    人の手入れがされないまま海風にさらされるこの港がかつての原野に戻るのも、時間の問題だ。

    私が生まれる前に潰れてしまった夢のテーマパーク、
    海に沈んだ国道。

    世界の終わりなんてきっとこんなもの。

    私は今、シェルターの管理人の代理として一人ここを任されている。
    あと3年後に全ての人を目覚めさせる予定だった。
    最近の調査によると、シェルターで眠る99%の人は氷漬けのまま
    二度と目覚めることは無いという。
    150年も昔の時代、彼らはこの未来に何を想い、何を懸けたというのだろう。

    3年後、誰か一人でも目覚めたら
    まず、何処を案内してあげよう……。


    その日は流星の降る夜だった。
    いくつもの星が施設の方へ落ち

    私は


    目を白黒させる100人の亡霊の夢を見た。


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    posted by 小説あらすじ |