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    1ー5攻防
    1ー5 攻防


     ミオはゾンビ達から逃げてきた食堂エリアへの通用口に立っていた。
     まだゾンビは近くに居るだろう。
     そうしている間にも解凍が終わる時間は迫っている。
     このままこの安全なここに止まるか、食堂エリアへ立ち向かい携帯電話を取り戻すか。
     地上に戻って逃げ出す選択肢は無かった。
     誰よりも何よりも恵まれていた。
     今自分はその報いを受けているのではないだろうか?
     人造人間たちは「モドキ」と呼ばれる事も多く、世間の目は冷たいものがあった。
     トコリは差別の少ない街ではあるが、一本ストリートを入ると人造人間による売春施設が広がる通りがある。
     そこがかつて人身売買の跡地だったという話は有名だ。
     道具としての人造人間の文化は今も深く根付いている。
     虐げられてきた立場の者達も、それが染み付いているのだ。

     ミオは、トコリの運転手キルンに連れられ月に一度の「大市」を目当てにトコリを訪れている。
     山賊の動きが活発になるまでは、よくスクーターで一人で出かけたものだ。
     彼らは皆優しい人たちだった。
     ミオの母の事も知っていて、よく親子で買い物へ行ったりもした。
     母はいつも金を持っていた。
     人造人間の子どもを育てる事を決めた場合その者は養育費と衣住食を保証される。
     多くの者がそれを選び、ミオの「母」もそうだった。
     母に特別優しくされた記憶は残っていない。
     母には出来る事よりも出来ない事の方が多かった。
     計算をすることも出来ず余分にお金を取られたり、バカにされても気づかず笑っていたり。
     生活の基本的な事以外は近所に住んでいたキリお婆さんや古代人研究をして半分引きこもっていたヤールに教わった。
     いつも母は寂しそうな笑顔で居た。
     母はミオが10才になると養成所へ連れていき、二度と会う事はなかった。
     その記憶が常に自分にある孤独の正体なのだろう。
     だが、そうだ。
     どう考えても恵まれていた。
     終わりでいい。
     こうなった理由はわからない。
     自分が得をしすぎた。
     生命の均衡が崩れ、あのようなとんでもない化け物を呼び寄せてしまい……、
     それがこれから駆けつけるだろうヤールたちに危険な目にあわせてしまう。
     ミオは冷静な思考を失いつつも、大事な人たちはせめて守らなければと覚悟を決めた。
     まずは携帯電話だ。
     ミオは耳をそばだて扉の向こうに気配が無い事を確認すると、震える身体を銃ごと抱きしめ鍵を開けた。
     実習で習った通り、引き金に指はかけず素早く構える。
     この場合襲ってくるのは、野生の熊ではなくゾンビだ。
     教科書どおりにする必要も無い気がしてくる。
     だが、そんな思考も虚しくなるほど食堂は静かだ。
     携帯電話を落としたと思われる場所まで進むが、それは見つからない。
     かわりに大きな血だまりが目に入る。
     その近くに死体。
     黒い体毛の毛むくじゃらゾンビだ。
     ミオは手で口を抑えた。
     ゾンビはさっき2体見た。
     さっきは土壇場でわからなかったが、撃った弾があたったのはこちらの方だ。
     もう1体の体毛の無い無表情ゾンビは近くには居ない。
     早くなる自分の呼吸の音にさえパニックになりそうだった。
     こんな調子でアンプルのある地下まで降りられるだろうか?
     携帯電話はもう1体に取られてしまったかもしれない。
     これではどっちみち連絡を取ることは不可能ではないか。
     ミオは呼吸を整え食堂の先、各エリアに続く階段へ向かった。
     一歩進むごとにさっきのゾンビと遭遇する可能性は高くなっている。
     また 撃 つ しかない。
     それまで熊さえ撃った事の無かった自分が。



     それは突然の遭遇だった。
     何もない空間から突如現れたかのように土色の細長い腕がふわっと伸びてきた。
     ミオは叫びにならない悲鳴を上げて転ぶように距離を取った。
     間違いなく先ほどのやつだ。
     フラフラと正面にやってきた、そうと思ったのも束の間、
    ミオを捕まえようと近くの空間を引き裂き歯並びの悪い口をあけた。
     かすれた咆哮が食堂に響く。
     反応は遅いが、あれに噛みつかれたらじわじわと殺されることになるだろう。

    「ゾンビ!」

     ミオは叫びに近い声をあげた。
     大声を出さないと力の入れ方を忘れてしまう気がして。
     一瞬振り返って目があったのは、それとは別の、同タイプのゾンビだった。

    「うわーっ」

     ついに彼女は絶叫した。
     見てわかる。
     言葉は通じない。
     その叫びにつられたのか、近くに集っていた者たちが次々とミオを追いかけてきた。
     数人が通用口の方へ回り込む。
     これではもう制御室へは戻れない。
     ミオは踵を返し職員通用口とは反対の食堂の向こう、自動扉の奥へ駆け抜けた。
     出口からも遠ざかっている。
     このまま闇雲に逃げていても行き止まりにぶつかるだけだ。
     何かを蹴飛ばす。
     黒い四角形の物体は、間違いなく携帯電話だった。
     落としたと思った位置から離れていたのは、さっきの土壇場で今と同じように落とした後蹴飛ばしてしまったからだろう。
     ミオは腰を落としてそれを拾い上げ、走りつづけた。

     考え無しに走り抜けた自動扉の向こうは3─0エリアと呼ばれる男性エリアだった。
     食堂からも一番近い、もしも古代人全員がゾンビだったとするならそれが濃密なエリア。
     ミオは速度を緩めず、廊下に立てかけてあったままのモップを手に取った。
     この廊下を昨日掃除した。
     そういえば、モップを片付けるのを忘れていた。
     非日常に浮かぶ昨日までの平常とはなんと滑稽なことだろう。
     走り抜けようとするミオの横目にゾンビ達がうつった。
     ガラス製の戸の前にひしめき合い、今にも破ろうとしている。
     止まってはいけない。
     本能的に感じたその時、割れるガラス戸と一緒にゾンビ達が雪崩のように飛び出してきた。
     一度目の衝撃よりかは耐性がついたのか、冷静に分析している自分にミオは驚いた。
     こんな光景を古い映画でよく見た、気がする。



    (この先は棟の終わりだ……)

     ガラスを突き破って出てきた後の者は怪我をしたのか床に蹲り呻いている。
     先ほど見たものよりも人間らしい姿に近づいた骨格をしていた。
     起き上がり彼らはゆっくりと手を伸ばし、よたよたとこちらへ向かってきた。

     長い腕が脇からぬうっと伸びてきた、そう思ったのもつかの間、腰にまた痛みを感じた。
     押し倒され床に転がっていたのだ。
     星を散らしたように目の前が真っ白になる。
     視界がようやく色を取り戻し始めた時、何かがどっしりと覆い被さる感覚を全身に感じた。
     覆い被さった男の口から涎が胸に垂れる。

    「いやっ」

     ゾンビ男が徐々にミオの顔の方へ近づいてくる。
     糸を引いた涎が胸から首筋にかけて垂れ、その生ぬるさを感じて全身に鳥肌がたつ。
     土色の肌に人間の男性の骨格。
     しかしその顔つきを見て、ミオは対話の可能性など一瞬で捨てた。

    (駄目だ……)

     彼らの目にはもはや意志を感じられない。
     あちこちに涎を垂らし、目の焦点の定まらない虚ろな死人の表情。
     ミオは傍に落ちていたモップに手を伸ばした。
     モップを力一杯握り直す。
     長期の冷凍睡眠が人間にもたらす影響はまだわかっていない。
     その影響の一つだとするなら。
     この男は自分を犯そうとしているのかもしれないし、食べようとしているのかもしれない。
     理性と欲望の間、迷っているのかもしれない。

    「やめてっ!」

     溜まった息を吐き出してミオは叫んだ。
     精一杯の叫びだったが、声に驚く様子すら得られない。
     ミオは握ったモップを突き上げた。
     柄が男の首に食い込み、一瞬呼吸が止まる。
     別のゾンビ男が逃げ出そうとするミオの足首を掴んだ。
     ミオはもう片方のブーツを捨て、裸足で駆けた。
     このままこの手で逃げつづけたらすぐに裸になってしまう。
     おもしろい光景を無理やり思い浮かべても、全身の力が急激に落ちていく。
     もう限界だ。
     だが、食堂の方面には戻れない。
     あそこはけむくじゃらのゾンビが残っているかもしれない。
     あの化け物は一体なんなのだろう? そして襲ってくる理性を失った人々。
     獣から、人形に近いゾンビ人間まで。

    「……私たちが願ったから……?」

     この先には、外とつながる空間がある。
     外と繋がるというのは間違いで、正しくは外気に触れることが出来る、だ。
     逃げ場は完全に失うが、おそらく電波が届く。
     ゾンビの足音はまだこちらに向かっている。
     重厚な扉を押し開ける。
     眩しい光が差し込み、ミオは目を細めた。
     光に飛び込むようにミオは戸の隙間から入り込む。
     閉めようとした所で土色の細長い腕がそれを阻もうとミオの左腕を掴んだ。
     力に押され、徐々に戸が開いてくる。
     別のゾンビの腕が伸び、雄叫びとも言えない奇声が響き渡る。
     ミオも必死だった。
     身体全体で戸を抑え、右手でホルスターに手を伸ばす。
     短い攻防だった。
     ゾンビの腕が拳銃を引き抜こうとする手にぶつかり、振り落とされてしまった。
     その拍子に身体ごとよろけ、勢いよく開く扉と一緒に弾き飛ばされた。

    「っ!!」

     心の呟きさえもはや言葉にならない。
     ゾンビ達がドミノ倒しで入り込んでくるのがスローモーションで映る。
     ミオは歯を食いしばり目をぎゅっと閉じた。
     その時、花火が目の前で爆発したような音が弾けた。
     同時にいくつもの振動と生ぬるい液体の飛沫を感じた。
     ミオは襲い来るだろう痛みを待った。
     だが、いつまで経っても想像したような痛みは襲ってこない。
     ミオの意識はそのまま遠く薄れていった。



     弾き飛ばされた先の石畳で擦りむいた足の痛みを自覚した時、恐る恐る目を開けてみた。
     頭上から降り注ぐ昼下がりの光、それを隠してしまいそうなくらい健康な、空間全体を包む木々の木漏れ日。
     過去の管理人が育てていたという冬夜の期間にも耐える、改良が重ねられた異国の植物や果実の生える地中の庭。
     そこは、地下から見上げると空を切り取ったような円形の中庭になっている。
     棟の行き止まりごとに作られた空間で、それぞれでかつて何かを栽培していたらしいが、生き残っているのは
    男性棟の、このエリアだけだ。
     手入れはミオ一人では難しく、今やそこだけジャングルのようになってしまっている。
     ぼーっとした無音。
     片方の耳に違和感がある。
     そんな中、一つの電子音を聞いた。
     耳鳴りではない、携帯電話だ。

    「お父さん、……お父さん!」

     ミオは身体を起こし叫んだ。
     日だまりの中央のベンチに白い服を着た男が腰かけている。
     話をしていたのだろうか、彼はすうっとこちらを向き、携帯電話から耳を離した。

    「ここは安全だよ、お嬢さん」

     黒髪の細身の男性だ。
     ミオはきょとんとしたまま、それ以上理解出来ずに居た。
     男はすっと立ち上がると携帯電話を置き、ミオの拳銃を右手に携えゆっくりとこちらへ向かってきた。
    「危ない所だったが、どうにかなったよ。よくここまで一人で来たね」
     ミオは彼を見上げた。
     怯えきった表情のミオに男は微笑んだ。
    「この庭は君が管理していたのか」
     優しそうな笑みに一気に緊張が和らぎ、彼の言葉がようやく意味をもって伝わってきた。
     ミオはこくんと頷いた。
    「ここは元々私の庭だった。あちこちから集めた南国の植物は、かつてのコーデリテの風土には決して適さないものだった」
     彼は拳銃を左手に持ち替え、ミオに手を差し伸べた。
     ミオは無意識に手を伸ばす。
     彼はミオをそのまま立ち上がらせた。
    「原始の美しさ。これぞ完成形か。……ここを捨てるのが惜しいくらいだ」
    「あなたは、誰ですか」
     ミオはようやく口を開いた。
    「私はカーソンという者だ。ほんの数時間前まで、3エリアで氷漬けにされていた、科学者でここの管理人のカーソンだよ」
     ミオは目を見開いた。
    「あれからまた、長い時間が経ったようで、いつの間にかここも無人になってしまったのかと思った。
    たった今、君の携帯電話に電話があった。我々の位置は伝えたが、彼らはここまで来られないかもしれないね。
    大体その電話でこの時代の事情は把握した。君はミオって言うんだね」

     カーソンは多肉植物の葉を撫でながら悠然と言った。

    「カーソンさんは、なぜ、動けるんですか? ……冷凍睡眠が解かれて時間がまだ経っていないのに……
    中には沢山ゾンビが居るのにどうやって……」
     聞いてくるミオにカーソンは笑いかけた。
    「そうか、やっぱり君たちは何も聞かされていないようだ。その割に君は意外と冷静なお嬢さんだね。
    いい所をついた。ゾンビね……言い得て妙、というかそのままか。彼らと私は0エリアで眠っている
    人間達より後に冷凍されたんだ。新しい技術で、片道切符の時間旅行気分で。生存率もぐんと高まっている」
     どくん、と心臓が高鳴る。
     ミオが入ってきた鉄の扉の前には3体の死体があった。
     どれも拳銃で撃ち抜かれている。
     さっき自分が取り落としたものを使い、彼が倒したのだ。
    「あのゾンビ達には正直、もう用は無いんだ。一つの研究が時を掛けて熟成した今、この施設も、彼らも。
    ここごと廃棄するのが妥当だが……先住民ごとというのも無粋な話だが。ここがすっかり放置されているような惨状にも
    失望してしまったと言うのが正直なところだがね」
     カーソンは独り言のように話を続ける。
     唖然とするミオを見据えてカーソンはため息を付いた。
    「何も伝わっていないのか」
    「ごめんなさい……。それはきっと、私が人間じゃないから……全てを教えるわけにはいかなくて……それで私、
    ここの事、何も知らないのかもしれない……」
    「人間じゃない? どういうことだ? まさか、アンドロイドだと?」
     カーソンは目の色を変えてミオに向き合った。
     斜視気味の緑がかった瞳が、ミオを見つめる。
    「いいえ、私は人造人間です。機械じゃありません、カーソンさんの時代には信じられないかもしれないけど、
    遺伝子操作を受けて生まれた……」
     カーソンはミオが言い終わらないうちに彼女の襟首を掴んだ。
    「そうか。俺がこうしている間にお前のような生物が生まれたということか」
    「えっ……」
     ミオの拳銃を携えたまま、怒りの表情でそれを胸に突きつけた。
     拳銃の先で、胸から腰、太ももにかけてミオの身体を押し付けながらなぞられていく。
     それは、さっきのゾンビの涎を浴びた時とは違ったおぞましい感覚だった。
     理解が追いつかず、ミオは動けずにいた。
     冷たい銃口が首筋から頬にかけてを撫で、最後に唇に軽く触れた。

    「なるほど。お前の身体は人間に媚びている。結局こうする事を選んだというわけだ」

     カーソンはミオの頬を拳銃で殴打すると、倒れた彼女の上に跨った。
     驚きと痛みで呆然とするミオをカーソンは見下ろした。
    「人造人間と人間。その境界はなんだ? それはどこにある? あらためさせてもらおう」
     カーソンはミオのネクタイを引き抜いた。
     その行為が意味するものを理解し、ミオは戦慄した。
     声も出なかった。
     全身から力が抜け、息をするのがやっとだ。
     カーソンが手放した拳銃がすぐ真横にある。
     拳銃には何発か弾が残っているだろう。
     だが、人間相手にそこまでの防衛が出来るわけも、力もない。

    「……」

     あんな異形の化け物を自分たちは守ってきたのだ。
     恐怖と嫌悪感が沸いてくる。
     確かカーソンは、自分が3エリアの人間であると言っていた。
     0エリアの時代とは違う人々で、冷凍睡眠の技術が改良され、すぐに活動が出来るようになったと。
     何かがきっかけでそういった生物を冷凍保存した時代があったのだ。
     記録には人間の顔写真と名前が記されていたが、それは殆どが偽者だったということだろうか。
     すくなくとも3エリアにはあの異形の化け物とかつてのシェルター管理人、科学者カーソンが眠っていたというのが真実だ。
     そしてそのカーソンは今……。
     頭上で木々がざわめく。


    (そうだ……もう昼過ぎだ……。点滴、とっくに空だな……シュンリ、ごめんね)


     不思議と笑みがこぼれる。
     何も無いけど幸せな日々だった。
     人生に花が咲くという感覚をミオは今まで経験したことがなかった。
     夢が確信に変わり、先を考えるようになれたことも。

    (きっと私は、本当にシュンリの事が好きになっちゃったんだな)

     このまま人造人間として奪われる。
     それは正しいことだろうか。
     搾取されるのではなく、守るために自分はここに生きていたのではなかったのか。


     母のように、何を言われても何をされても、意思も持たず、子どもを奪われ、怒りも悲しみも感じず、
     夢も希望も持たず誇りも矜持も持たず、孤独も感じることもなく、愛することも理解せず


    「カーソンさん、やめて、やめてよ……」

     シャツのボタンを外そうとするカーソンの手を、ミオは掴んだ。
     カーソンは、ふっと力を抜き手を止めた。

    「お前は、この状況で何を望む?」

    「私、下まで下りて、アンプルを取りにいこうと思った。そしてお父さん……管理人のヤールに、
    危険を伝えなきゃって思って、落とした携帯電話を探してここまで来た。私たちは、
    古代人の目覚めをずっと夢見て生きてきた。それ以上の望みは無いよ」

    「自分の貞操をかけてもか?」

    「そんなもの、要らないよ! 私に欲しいものなんて、たった一つだ」

     悲鳴の混ざった震えた叫びだった。
     カーソンは無表情のまま、目を閉じて耐えるミオを暫く見ていた。
     彼は数分の間考え、そして語り始めた。

    「そうか。悪かった。人造人間のお嬢さん。さっきの電話でもわかる。君は人として愛され心配されている。
    時代が変わった。よくわかった。私たちは本当に忘れ去られてしまっていたのだろう。それなら君たちの
    命を無碍に奪うこともない。……アンプルは、実は私がここに持っている。君とこのアンプルを交換条件に
    彼らと取引をしようと思ったがやめだ。君たちは人畜無害な未来人のようだ。これは返そう。
    薬を打たれていないここに居るゾンビ達もじきに活動を止めるだろう。だが我々はここを出て計画を続行する。
    そして一つ言っておこう。0エリア以外で目覚めた我々の関係者は危険だ。私に無理やり冷凍させられ、
    おそらくまだ生きている。即身仏になれると聞いて入定した者は、理性と狂気の間にある。気をつけたまえ」
     カーソンは立ち上がり衣服をととのえると、大きなバッグを持って密林の奥へ消えた。

    「私の庭を守っていてくれてありがとう」
     


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    posted by 小説あらすじ |